噛むことの大切さ
こんにちは。諏訪歯科医院です。
今日は「噛む」がテーマです!
みなさんはリンゴを手でつぶすことはできますか?
おそらく大半の方は無理だと思いますが、
歯が健康であれば丸かじりはできますよね。
リンゴを手でつぶすとき、およそ70~80kgの力が必要だそうです。
成人男性の平均的な握力は40~50kgほどなので、
人間にとってはかなり大きな力が必要だということがわかりますね。
握りつぶすのとは単純に比較はできませんが、
人間はリンゴをガブリと丸かじりできるほど
しっかり噛む力を持っているのです。
では実際に、噛む力はどれくらいなのでしょうか?
目次
- ○ 噛む力
- ○ 噛むことの効果
- ・1.胃腸の働きを促進する
- ・2.虫歯、歯周病、口臭を予防する
- ・3.肥満を防止する
- ・4.脳の働きを活発にする
- ・5.全身の体力向上
- ・6.味覚を発達させる
- ・7.がんを予防する
- ○ いつまでも自分の歯で噛もう
- ○ 歯がなくなっても諦めず治療を行いましょう
噛む力
人間が思い切り噛んだ時の力は、体重に比例していると言われます。
体重40kgなら40kg。60kgなら60kgほど、ということですね。
噛む力は年齢や、日頃から軟らかいものばかり食べている
といった食生活だけではなく、
口腔内の状態によっても大きく変化します。
むし歯や歯周病などで歯を失った場合、
例えば奥歯を失った場合はそれがたとえ1本だけだとしても
2~4割ほど低下すると言われています。
4割噛む力が低下したら…食べられるものも減り、
健康な生活に影響が出ることは想像に難くないですね。
前歯を1本失ってしまっただけでも
リンゴを丸かじりできなくなるかもしれません。
万が一歯を失ってしまった場合、食べることに関してだけではなく、
体全体の健康状態や認知症、生活習慣病等、
さまざまなことへの影響が懸念されます。
決してそのままにせず、必ず歯科で適切な処置を受けてください。
たとえば入れ歯を入れたとしても、
もともとのご自身の歯の噛む力には遠く及びません。
日頃から歯磨きをしっかりと行い、
定期的に歯科検診でお口の健康状態のチェックを受け、
むし歯や歯周病の早期治療を心がけましょう。
噛むことの効果
子供の頃、『よく噛んで食べなさい』と言われたことがある人は
沢山いると思いますが、
なぜよく噛まないといけないのでしょうか?
実はよく噛むことで体にとって沢山のメリットがあるのです。
1.胃腸の働きを促進する
よく噛むことで体内の消化酵素の分泌が増加し、
さらに細かく噛み砕けば胃腸の負担を少なくします。
2.虫歯、歯周病、口臭を予防する
唾液の分泌が増加し、抗菌作用により
お口の中の洗浄効果が高まります。
よく噛んで沢山唾液を出すことで、
虫歯予防ができるのは驚きですね。
3.肥満を防止する
ゆっくりたくさん噛むと
満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防止します。
ゆっくり食べることで、
味わって食べることができるので一石二鳥ですね。
4.脳の働きを活発にする
よく噛むと脳への血流が増加して脳が元気になります。
脳の老化を防止します。
認知症の予防にも効果がありそうですね。
5.全身の体力向上
全身の神経を刺激して活力がみなぎり
体力、運動能力が向上します。
よく噛んで沢山動いて、体も元気になれますね。
6.味覚を発達させる
噛むほどにじっくり味わえて
薄味でもしっかり美味しさを感じられます。
味が濃いのは塩分過多や高血圧にもつながるので、
薄味でもよく噛んで味わって食べるように心がけるといいですね。
7.がんを予防する
唾液に含まれる酵素には食品中の発がん性物質を
抑制する効果があると言われています。
よく噛んで唾液を沢山出して、いつまでも健康でいたいですね。
いつまでも自分の歯で噛もう
長寿大国日本では平均寿命は世界でトップクラスですが、
歯の寿命となればまだまだなのです。
自分の歯が20本残っていれば、まずよく噛めると言われています。
80歳で20本の歯を残すことを目標としましょう。(8020運動)
一生自分の歯で食事することが健康な体づくりにつながるのです。
歯がなくなっても諦めず治療を行いましょう
すでに、自分の歯が20本以下になってしまった方も
放置せず歯科に相談し必要な処置を受けましょう。
例えば「入れ歯」ですが、
入れ歯をつけているときは歩くリズムが安定しているのに、
はずすとつまずきやすくなるとの報告があります。
入れ歯を入れることで、ふんばりがきいて転倒防止に繋がるのです。
また、歯が無くて更に入れ歯も使っていない人ほど
認知症の症状が多いことも知られていますね。
入れ歯を上手に使うことには努力が必要となります。
ゆっくりと慣れていけるよう頑張りましょう!
また、舌や頬の動きも大切です。
普段から自己流でいいのでストレッチをしてほぐしておくと良いです。
一番大切なことは「よく噛む」ことです。
味覚を楽しみ健康維持できるよう、
歯がある人もない人も噛む回数を増やすことを習慣としてください。
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