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ケアシリーズ 〜歯磨き粉編〜

こんにちは。牧野歯科医院です。

 

8月も終わりに近づき、涼しく感じる日が増えましたね^o^

 

新型コロナウイルスはまだまだ猛威をふるっていますが、

一人一人の感染対策が大事です。

先の見えない状況ですが、感染が少しでも減ることを祈ります。

 

 

今回は歯磨き粉についてです。

皆さんはどのような歯磨き粉を使用していますか?

最近では歯磨き粉に入っている成分も進化を遂げて

かなり効果の高いものが取り扱われています。

 

普段何気なく使用している歯磨き粉にも色んな効果があるので、

自分の目的にあったものを使用するとより効果が高まります。

 

ただし、良い歯磨き粉を使用したから

虫歯にならないということではありません。

しっかりブラッシングをするという事が大事です。

歯磨き粉のスッキリ感で磨いた気になったり、

発泡剤の泡ですぐに泡だらけになってブラッシングが十分にできないなど、歯磨き粉にもデメリットがあるということを忘れないでください。

 

 

では歯磨き粉はどのような効果があるのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

 

目次

歯磨き粉の効果

歯磨き粉はたくさんの種類があり、
歯磨き粉に含まれる薬用成分を効果的に利用することで、
虫歯や歯周病の予防が可能になります。

また、次のような効果が期待できます。

・虫歯の発生、進行を防ぐ
・歯の着色を防ぐ
・口臭を防ぐ
・歯周病を防ぐ
・歯石が溜まるのを防ぐ
・タバコのヤニを付きにくくする

目的に応じて自分にあった歯磨き粉を使用することが大事ですね。

歯磨き粉の成分と働き

歯磨き粉の裏面を見ると、「成分」という表示があります。

カタカナだらけでしっかりみたことがある人は少ないと思います。

実はその成分表はどんな目的で使用するかにより少しずつ変わっています。

ここでは歯磨き粉に配合されている「基本成分」と「薬用成分」についてご紹介します。

薬用成分

<虫歯予防>
モノフルオロリン酸ナトリウム・フッ化ナトリウム

<歯周病予防>
トラネキサム酸・塩化クロルヘキシジン・塩化ナトリウム・グリチルリチン酸ジカリウム

<歯肉炎予防>
塩化セチルピリジニウム・塩化ベンザルコニウム・トリクロサン

<知覚過敏抑制剤>
硝酸カリウム・乳酸アルミニウム

<タバコのヤニ除去>
ポリエチレングリコール

<プラーク(歯垢)の分解>
デキストラナーゼ(酵素)

歯磨き粉には多くの目的別に異なる成分が配合されています。


聞いたことのないものもあるかと思いますが、
皆さんが普段から使っている歯磨き粉にもいくつか配合されているので、
気になった方はお家にある歯磨き粉の裏面をぜひ見てみてください。

基本成分

<清掃剤(研磨剤)>
・歯の表面の汚れを落とす
無水ケイ酸・水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・リン酸水素カルシウム

<湿潤剤>
・歯磨き粉に適度な湿り気を与え、凝固や分解を防ぐ
ソルビトール・グリセリン・プロピレングリコール

<発泡剤>
・歯磨き粉を泡立たせ、口内に拡散させる
ラウリル酸ナトリウム・ヤシ油脂肪酸アミドポロピルベタイン

<香味剤>
・爽快感や香りを付け、歯磨きをしやすくする
サッカリンナトリウム・メントール・オレンジ油・香料

<粘結剤>
・液体成分と粉末成分が分離するのを防ぎ、過度の粘性を与える
カルボキシメチルセルロース・スカラギーナン・キサンタンガム・アルギナン酸ナトリウム

<保存料>
・歯磨き粉の変質を防ぐ
安息香酸ナトリウム・パラベン


この中で注意することがあるとすれば、清掃剤の点です。
清掃剤は研磨剤とも呼ばれており、歯の着色や表面の汚れを落とす成分です。

しかし、汚れを落とす際に歯の表面の組織まで削れてしまい、
使い続けることで歯が染みてきてしまう可能性があります。
研磨剤を使いたくない!という考えの方は
これが入ってないものを選ぶ方がいいかもしれませんね。

歯磨き粉の種類

皆さんは歯磨き粉を買うとき、何を見て買いますか?

味や質感で決めるという方もいると思いますが、
虫歯予防や、歯周病など目的別で購入することが多いのではないでしょうか。


最近では目的に応じて、それぞれに特化した歯磨き粉が増えてきています。

ではどのような種類があるのか、
3つのジャンルに分けて詳しくみていきましょう。

歯周病

まず一つ目は「歯周病」に特化した歯磨き粉です。

歯周病は日本人の20歳以上の約8割の方がかかっていると言われている
歯茎の病気です。

なんと世界で1番多い感染症としてギネス記録になっているんだそうです。


歯周病への効能として最も重視するのが、
「抗炎症」「殺菌」
「血行促進」「組織修復」
の4つです。

歯周病菌を殺菌する薬用成分には、
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
・塩化セチルビリジニウム(CPC)
・塩酸クロルヘキシジン(CHX)
などがあります。

特に、
「イソプロピルメチルフェノール(IPMP)」は、
歯周ポケットに付着した歯垢(バイオフィルム)に有効です。

また、「ラウリルイルサルコシンナトリウム(LSS)」は、
口臭への効果も期待できます。

歯茎が炎症を起こしていると、歯周ポケットに歯ブラシが届きにくくなるため
歯磨きが不十分になります。
磨き残しはやがて歯石となって歯周病を誘発するため、
まずは炎症を抑えることが大切です。
「グリチル酸」や「トラネキサム酸(TXA)」は、歯茎の腫れを抑え、
出血を抑制する働きがあります。
歯茎の腫れや赤みが気になる人は、
上記成分が配合された歯磨き粉を選ぶといいですよ。


注意して欲しいのが、
研磨剤はできるだけ無配合のものを使用するようにしましょう。
研磨剤の粒子によって、歯周病で弱った歯茎や歯を傷つけてしまう可能性があります。


パッケージの成分表示を確認して、
できるだけ歯周病を予防するのに役立つ成分が配合されているものを
選ぶようにしましょう。


「歯周病に効く」と謳われているものでも、比較すると色々ありますので、
ぜひご自身に合ったものを使用してみてくださいね。

虫歯予防

続いて、「虫歯予防」を重視した歯磨き粉です。

皆さん一度は聞いたことがある「フッ素」が配合されていることがとても重要です。


虫歯になりやすい人は、
有効成分が配合された歯磨き粉を効果的に使用していくことが、虫歯予防の近道です。

・フッ化ナトリウム
・フッ化リン酸ナトリウム
・モノフルオロリン酸ナトリウム
・フッ化第一スズ
など特にフッ素が配合された歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。

・クロルヘキシジン
・トリクロサン
・塩化ベンゼトニウム
が配合された歯磨き粉も、高い殺菌効果を期待できるためおすすめです。

虫歯予防を目指すのであれば「フッ素濃度」が高いものを選ぶことが基本です。
フッ素は学術的な研究上でも
虫歯予防に対して効果があることが確認されており、
歯を保護し再石灰化を促してくれます。

虫歯予防の観点から歯磨き粉を選択するのであれば、
フッ素が含まれているだけではなく、
濃度が高いものを選択することが必要です。

フッ素濃度には上限が決められており、日本では1000ppm以下とされていましたが、
平成27年に上限が1500ppmまで引きあげられました。

あまりにもフッ素濃度が高すぎると健康に害を及ぼす可能性があるため
注意が必要になりますが、虫歯予防の効果を高めるためには、
なるべくフッ素濃度が高いものを選ぶのがおすすめです。

厚生労働省による、年齢ごとに推奨されるフッ素濃度につきましては
以下となっております。

・3歳~5歳 500ppm
・6歳~14歳 1,000ppm
・15歳以上 1,000ppm
・成人1445ppm

推奨濃度は国によっても異なりますが、
上記の事を参考にして選んでいただくとよいでしょう。


ただ、歯磨き粉だけで虫歯を防ぐことはできません。

日頃から歯ブラシ以外の歯間ブラシやフロスなどのデンタルグッズを
使用して歯磨きすることが大事ですね。

ホワイトニング

次に、ホワイトニング効果のある歯磨き粉です。


歯科医院でホワイトニングをした時のような効果をご自宅でのケアでも得たい!
と思うことはありませんか?

ホワイトニング効果のある歯磨き粉で毎日入念に歯磨きをしていれば
理想の白さに近づける気がしますが、
なかなか期待する効果までは実感できない…とお悩みの人も少なくありません。
「ホワイトニング歯磨き粉って本当に効果があるの…?」
と疑問が湧くことも。

実は、歯科医院と市販の歯みがき粉では、使用できる薬剤の種類が異なります。
歯科医師がホワイトニング治療で用いる薬剤には
・過酸化水素(もしくは過酸化尿素)
という薬剤が配合されており、歯の表面の汚れや色素を分解して無色化します。
さらに、過酸化水素はエナメル質の構造を変化させることにより
歯を白く見せることができます。
ところが、日本国内では市販の歯磨き粉に
「歯を白くする濃度の過酸化水素」を配合することは法律で禁止されています。

歯を白くする濃度の過酸化水素を取り扱うためには歯科医師免許が必要です。
したがって、市販の歯磨き粉で「歯科医院の施術と同じホワイトニング効果」を
期待することは、現実的とは言えません。

それでは、市販のホワイトニング歯磨き粉には効果がないのでしょうか?
上述の通り歯科医院と同じ効果は期待できません。
しかし、また違った役割を果たす優秀なケアアイテムとして活躍してくれるものも
多数あります。
歯磨き粉での日常的なケアは、
菌や着色汚れの予防・施術による白さの持続サポートのように考えると良いでしょう。


ホワイトニングの歯磨き粉選びのポイントは主に3つです。

①ホワイトニング有効成分あが入っていること。
白い歯をキープさせる有効成分には、汚れを除去して歯の表面のコーティングし
汚れの付着の予防にも役立つ「分割ポリリン酸ナトリウム」、
歯の表面についた傷を埋めて汚れや着色が付きにくい滑らかな歯を作る
「ヒドロキシアパタイト」などがあります。

②「低研磨性」もしくは「研磨剤不使用」
研磨剤は汚れを落とすことにおいて有効ですが、
粒子が大きいほど歯を削る力が強くなるため、
歯の表面のエナメル質を傷つけたり、歯茎にダメージを与えることもあります。
研磨剤が微粒子化されている「低研磨性」の歯磨き粉であれば、
歯や歯茎への刺激を抑えながら汚れや着色を落とすことが可能です。
また、最近では「研磨剤不使用」のもので、
〈汚れを浮かせて落とす成分〉が配合された歯磨き粉も増えてきていますので、
ぜひ活用してみてください。

③「発泡剤不使用」
歯磨きは1回につき3分以上きっちりブラッシングすることが推奨されています。
しかし、ラウリル硫酸ナトリウムなどの発泡剤が含まれた歯磨き剤の場合、
すぐに口の中が泡でいっぱいになってしまい、
汚れが除去しきれていない状態にもかかわらず
「しっかり磨けた気分」になってしまうことがあります。
きちんとブラッシングをするという点では、
発泡剤は入っていない・もしくは少ない方がベターです。

清潔感や見た目の爽やかさを求めて、歯を白くしたいと考える方が増えています。
前述の通り、ホワイトニング歯磨き粉は審美歯科などの歯科医による
ホワイトニングとはアプローチが異なります。

歯を漂白して白くしたいという方は、専門の歯科医に診てもらうことにしましょう。

知覚過敏

最後は知覚過敏の歯磨き粉についてです。

冷たい物が単純にしみることを「知覚過敏」と言います。

神経に炎症があったり、虫歯があるわけではなく、
単に冷たいものや風が当たったり、歯ブラシがあたるとしみたりする症状です。
歯の根っこがすり減って、そこに刺激が加わると起こります。

歯の根っこがすり減る原因は大きく3つあります。

① 強い力でのブラッシング
② 歯ぎしり・食いしばり
③歯周病で歯ぐきが下がって歯の根っこが露出する

知覚過敏用歯磨き粉には、
・硝酸カリウム
・乳酸アルミニウム
といった薬用成分が入っています。
硝酸カリウムは即効性があり、歯の神経の過敏反応を抑えることで
知覚過敏の症状を抑えていきます。

知覚過敏用歯磨き粉を使用するのと同時に、歯周病、歯ぎしり、酸蝕症、歯磨き方法、食生活など知覚過敏の原因も治していく必要があります。
原因を治していかない限り、一度治ったとしても多くの場合において
知覚過敏は再発します。

虫歯が原因で歯がしみることもあり、
虫歯で歯がしみる場合は効果なく治療が必要です。

間違った方法での歯磨き(力の入れすぎ、動かしすぎなど)によって
知覚過敏がおきている場合は、歯みがき方法を変えない限りはなかなか治りません。
一度、かかりつけの歯科医院で歯磨き指導を受けるのも一つの方法です。

少し歯が染みると感じた方は
一度歯科医院を受診してみてください。

まとめ

目的別で様々な種類の歯磨き粉がありましたね。

目的に応じて、歯磨き粉を使い分けて、
自分にあった歯磨き粉を探しみるといいかもしれません。

歯は美味しくご飯を食べる事に必要不可欠です。
歯を少しでも多く残すために、日頃からしっかりケアを行いましょう。

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