BLOG ブログ

HOME // ブログ // コロナに負けない口内環境作り

CATEGORY


ブログ

コロナに負けない口内環境作り




皆さんこんにちは。
牧野歯科医院 歯科助手の小砂見です。

新型コロナウイルスの影響でお口の中の清潔度が注目され、
ウイルスに負けない歯とお口の健康づくりが重要視されるようになりました。

3密(密閉・密集・密接)を回避する理由の一つに、飛沫感染の防止ということは皆さんご存知のことかと思いますが、その飛沫する唾液の中にはどれくらいの菌が存在していると思いますか?

なんと、人の唾液1mlあたり約1億個の細菌が含まれているのです。

その菌は外だけに出るのではなく、体内にも侵入して様々な臓器に慢性炎症を起こすと言われており、歯周病もそのひとつです。

今回はその歯周病の怖さを紹介したいと思います。

目次

歯周病ってなに?

歯周病とは簡単に言うと歯茎(歯肉)が破壊され、骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。

初期の頃には痛みなどの症状が少なく、気付かずにそのままにしておくと、症状が出たときには進行している恐れもあり、歯がぐらぐらしてきたり、口臭がするようになったり、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病菌は毒素や炎症性物質を大量に放出し、お口の中だけではなく、血流にのり、全身へ菌が流れ出し、動脈硬化や心筋梗塞、血管疾患などの病気につながることがあります。

また、妊婦さんが歯周病の影響で、早産や低体重児出産の危険性も・・・。


30歳以上の方の歯を失う最大の原因は、虫歯ではなく歯周病なのです!!
日本では約8割の方が歯周病にかかっているといわれています。


早期発見、早期治療で改善もできる歯周病。
歯周病のサインを見逃さないことも大切ですね。

歯周病のサイン

歯周病のサインはすごく小さなものですが、きちんと気づいて治療することが大切です。
その気づくべきサインについて細かく説明致します。

1. 歯茎から血が出る

歯ブラシを当てただけで血が出るというのは、歯茎が立派な炎症を起こしている証拠です。「よくあることだ。」と見逃さずに、すぐに歯科医院へ受診しましょう。
この段階であれば改善が十分可能な状況であることが多いです。

2. 歯茎の腫れや痛み

歯茎の腫れは確実に炎症が起こっている状態です。腫れるだけではなく、痛みを伴う恐れもありますし、場合によっては腫れが酷くなると大きい病院に通院してもらう必要があります。治るのを待つ前に歯科医院へいきましょう。

3. 口臭がする、口の中がネバネバする

口臭がすることで必ず歯周病だと一概には言えませんが、歯周病の進行のひとつのサインでもあります。特に膿の味がしたり、苦い味がする場合には早めの歯科医院へ受診してください。

4.その他にも

・歯がぐらぐらしている
・歯が伸びた気がする
・食べ物が歯と歯の間に挟まりやすくなった


などの症状がある方は歯周病の疑いがあります。
ぜひ一度当院を受診することをオススメします。

歯周病の治療

歯周病には段階があります。
その段階に合わせて治療していくことがとても重要です。
1つずつ確認していきましょう。

① 歯肉炎

歯茎のみに炎症が起こっている状態です。
・歯周ポケットの深さは3mm以内
・歯茎が炎症を起こし、歯磨きや硬いものを食べた時に出血しやすい。

[治療法]
歯のクリーニングと正しい歯磨き指導

② 軽度歯周炎

歯肉炎と歯周炎の大きな違いは歯を支える顎の骨に炎症が広がっているかどうかということになります。
歯周炎にも程度がありどの程度によって、治療方法などが変わります。

歯周ポケットは3〜4㎜程度
・骨が溶け出し、歯磨きや食事で出血する
・歯茎が腫れているような感じ

*無症状のことが多い

[治療法]
超音波スケーラーという機械で、歯の表面や根の周りについた歯垢や歯石を取り除きます。

④ 中等度歯周炎

・ポケットの深さは5〜7㎜
・骨が溶けてしまい、根っこが少し露出している
・歯茎が腫れたり治ったりを繰り返し、出血が多々ある
・歯がぐらついている
・口臭がする(膿のような臭い)

[治療法]
・ポケットの奥深くまで取り除く必要があり、痛みを伴うので麻酔注射を行ってから
歯垢や歯石を除去する場合があります。
・グラつきが酷い場合には、抜歯などの外科的治療を行うこともあります。

⑤ 重度歯周炎

・ポケット7㎜以上
・骨が2/3以上溶けてしまっている状態
・歯がぐらつき、硬いものが噛みづらい
・歯磨きでの出血
・歯が伸びた気がする
・歯と歯の間に物が詰まりやすくなった。

※重度歯周炎の場合、放置すると勝手に歯が抜けることもあります。


歯周病は歯科医院にいけば治るということではありません。
普段の歯磨きや生活習慣も改善していくことがとても大切です。

歯周病は万病の元

歯周病はお口の中だけでなく、身体にも様々な影響を及ぼします。
歯周病菌は腫れた歯茎から簡単に血管内に侵入し、菌が作る内毒素(エンドトキシン)が全身に悪影響を及ぼします。

糖尿病

歯周病は糖尿病の第6の合併症とも言われ、糖尿病と歯周病は密接な関係があります。
糖尿病は免疫を低下させたり、血流障害を引き起こすことで、歯周病になりやすい環境をつくってしまいます。

心臓病

歯周病原因菌が心臓の血管をつまらせ、細胞に障害をもたらし、動脈硬化や大動脈瘤の原因になると言われています。

骨粗しょう症

骨粗しょう症の方は骨が脆いため、歯を支えている骨が溶けやすく、歯周病の進行が早いと言われています。
歯周病で歯を失い噛む力が弱まり、バランスよく食べることが難しくなるので、全身の骨密度がさらに低くなり、悪循環が起こりやすくなる傾向にあります。

歯周病にならないために

歯周病菌は人間の常在菌の一つで、ほとんどの人の口の中に存在します。
そのため、完全に除去するこはできません。

歯周病を発症しないためには歯と歯茎の間(歯周ポケット)が深くならないようにすることで菌の住処を作らないようにするということが1番の予防策になります。


では歯周ポケットが深くなってしまわないためにはどうすればいいのでしょうか?

それは普段から正しい歯磨きを行い、定期的に歯科医院でのクリーニングを行うことで、
歯周病菌のプラークを除去し、歯周病菌を増やさないようにするということです!!

また、喫煙や睡眠不足、ストレスなども歯周病を悪化させる原因のひとつだとも言われています。
普段からバランスの良い食事を心がけ、生活習慣から見直すことも歯周病の予防に繋がります。

まとめ

歯周病は生活習慣病です。
日常生活を見直すことから始めてみましょう!
と、言っても何から始めればいいか分からないと思います。
人と会話するのも、物を食べたりするのも口を使います。その口の中を清潔にすることで生活習慣病が改善されるのであれば、是非行うべきだと思います。
少しでも歯周病のサインがあったり、思い当たる症状がある方はぜひ当院の受診をお待ちしております。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧