健康な身体は健康なお口から
牧野歯科医院、歯科助手の土居です。
コロナウィルス感染拡大が影響し、非常事態宣言が延長になったことで、引き続きStay Homeを実践されている方も多いかと思います。
そんな中、食生活が乱れついついお口の中のケアが疎かになってしまっていませんか?
マスクや手洗いでの感染予防はもちろんのこと、お口の中を清潔に保つことは、虫歯を防ぐ他にもウィルス等を寄せつけない予防効果があります。
また、6月4日は虫歯の日ということで、今回は改めて口腔ケアの重要性とお家でできる虫歯予防、そして虫歯になってしまった時の早期治療の勧めをご紹介したいと思います!
目次
- ○ ①虫歯ができる原因とは
- ○ ②虫歯ができやすい条件って?
- ○ ③虫歯を防ぐにはどうすればいいのか?
- ○ ④食べた後すぐに磨くと虫歯になるは間違い??
- ○ ⑤虫歯の段階とそれぞれの治療法
- ・❶CO 歯の表面(エナメル質)が少し溶け始めている状態
- ・❷C1 歯の表面(エナメル質)だけの虫歯
- ・❸C2 象牙質まで達した虫歯
- ・❹C3 神経にまで達した虫歯
- ・❺C4 歯根にまで達した虫歯
- ○ まとめ
①虫歯ができる原因とは
歯の表面についた歯垢や歯石が原因で虫歯を作る悪い菌(ミュータンス菌)が繁殖します。その菌は糖分を栄養分として、増殖し酸を作り出します。この酸が、歯の表面(エナメル質)を溶かし、だんだんと穴があいてしまいます。
これが主に虫歯の始まりです。
②虫歯ができやすい条件って?
・お口の中に虫歯菌(ミュータンス菌)が多い!
→虫歯菌が多いと当然作られる酸の量も多いため、歯の表面を溶かしてしまう。
・食事後に歯磨きをしない時間が長い!
→食事を行うと食物が歯と歯の隙間などに詰まり、その部分に虫歯菌が繁殖します。早いうちに取り除かないと、歯の表面が酸と触れ合う時間が長くなり虫歯リスクも上がります。
・磨き残しが多い!
→磨き残しが多いと歯と歯の間に食べかすが詰まり、虫歯菌の繁殖を促してしまいます。
・歯の表面(エナメル質)を溶かす酸を中和する唾液の量が少ない
→唾液の成分は、ややアルカリ性を示すため口の中で作られた酸を中和する非常に重要な働きをしています。その唾液量が減るのは虫歯リスクを高めてしまいます!
これらのことが挙げられます。
③虫歯を防ぐにはどうすればいいのか?
上記に挙げた虫歯ができやすい条件を作らないことが何よりの虫歯予防に繋がります!
やはり1番効果的で大事なのは、食事後の正しいブラッシングです☆
また歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間の磨ききれなかったプラーク(歯垢)が沢山残ってしまいます。
フロスや歯間ブラシなどを使用してもらい、歯ブラシだけでは届かない部分にどんどん活用してみましょう!
それでも取りきれない歯垢や硬くなった歯石については、歯科医院で特殊な機械を使って取り除くことができます!
また、お子様の虫歯予防に対して"シーラント"と呼ばれる歯の細かい溝を埋めて虫歯菌の繁殖スポットを失くす治療もあります。
通常、大人や子供に関わらず奥歯の表面にはでこぼことした溝がありますが
特に子供の場合、その溝が深い場合が多く歯ブラシでは磨ききれない事があるのです。
磨き残しを放っておくとそこから虫歯に繋がってしまうので、そのような場合には、プラスチックで埋め深い溝を浅くしてあげる事により、歯ブラシが行き届き、お子様の歯を虫歯から守る事ができるのです!
もし、きちんと磨いているのに虫歯が気になると悩まれている親御さんがいらっしゃれば是非一度、歯科医院に相談してみてください。
④食べた後すぐに磨くと虫歯になるは間違い??
皆さんもネットやTVで聞いたことはありませんか?
これは、歯を溶かすとされる酸を多く含むもの(お酢、柑橘類の果物、等)や甘いものを食べた後に、すぐにブラッシングをすると柔らかくなっているエナメル質(歯の表面)を傷つけてしまう可能性があるから、という理由で、伝えられています。このような状態を「酸蝕症」といいます。
酸を多く含むとされる食べ物を食べた後はすぐに歯を磨くのではなく、軽くゆすいでおき、お口の中の酸を中和させておく等の対策が必要です。
ただ、虫歯と酸蝕症というのはまた別ものなので、虫歯予防という観点では、
やはり食事後はすぐに歯磨きを心掛けるようにしましょう。
⑤虫歯の段階とそれぞれの治療法
虫歯には段階があり、それによっては歯の削る量も費用も時間もすべて変わってきます。皆さんには以下の図を参考にして、少しでも早い段階での発見、治療を心がけて頂きたいです。
❶CO 歯の表面(エナメル質)が少し溶け始めている状態
これは酸によって歯の表面(エナメル質)が少し溶かされている状態です。
歯の色が変色したりはしますが、痛みなどは特になく正しいブラッシングを
続ける事により、治る可能性のある段階です。
この段階であれば、ご自身の大切な歯を削らずに虫歯が治せます!!
❷C1 歯の表面(エナメル質)だけの虫歯
歯の表面(エナメル質)が溶けて黒くなっている状態です。
痛みなどもあまりなく自分で鏡などを見る機会がないと見つけられない事
もありますが、痛くなるまで放っておくのは危険です!
この段階での早期治療を心掛けましょう!
~治療方法~
歯の表面を軽く削り、コンポジットレジンと呼ばれるプラスチックで穴をを埋めていきます。
〇ポイント
・治療自体に殆ど痛みがありません。
・歯をあまり削らずに、最小限の削合で虫歯を取り除きます。
・時間がかからず、その日のうちに完治できる場合もあります。
❸C2 象牙質まで達した虫歯
歯の表面(エナメル質)のさらに奥にある"象牙質"と呼ばれる層にまで虫歯が進行した状態です。
ここまで来ると冷たいものや甘い物を食べた時にしみる事があり、1番患者さんが虫歯に気づき来院されるきっかけとなる段階ではないでしょうか。
~治療方法~
虫歯の部分を削り、アルジネートと呼ばれる粘土の様な物で歯型を取ります。後日出来上がった詰め物(インレー)を詰めて完成です。
〇ポイント
削った刺激で、一時的に痛みを伴うことがあります。
完治には数日〜数週間かかります。
削って型を取った部分を仮フタで覆うため取れる可能性があります。
❹C3 神経にまで達した虫歯
虫歯がさらに進み神経にまで達してしまった状態です。
食事以外でもズキズキと痛み、日常生活にも支障がでてくる事も。
~治療方法~
神経を取り除く治療(根管治療)を行い、クラウンと呼ばれる歯の全体を覆う被せ物をします。
〇ポイント
歯を大きく削らなくてはならないです。
神経を取り除くことで、その分歯が脆くなりやすいです。
完治には複数回通院が必要になります。
❺C4 歯根にまで達した虫歯
神経が死んで歯の根っこにまで虫歯が達してしまった状態です。
根が感染を起こすと根の先に膿が溜まる場合もあり、酷い場合だと大切な歯を抜かなくてはならない場合もあります。
~治療方法~
根の治療が必要になります。
場合によっては歯を抜く(抜歯)必要があります。
歯を抜いた後は、代わりの歯が必要であるためインプラントやブリッジ、入れ歯等で対応します。
〇ポイント
歯を失うリスクがあります。
治療・時間・費用がかかります。
まとめ
以上が虫歯になってしまった場合の治療過程です。
どうでしたか?
虫歯は日頃私達の1番身近にあり、誰にでも起こりうる疾患ではありますが、
少しの心掛けで防ぐことが出来ます。
しかし、気をつけていてもなってしまった場合、皆さん虫歯治療と聞けば歯を削られる、痛い、怖いというイメージを持たれがちですが、この説明をみて、全てがそうではない事はお分かりいただけましたか?
早期治療を心掛けることは大切な歯を残せるだけではなく、精神面や金銭面にも大きなメリットをもたらします。
時間に余裕がある今だからこそ、あらためて歯への関心を強めて、健康意識を上げてみるのはどうでしょう。
清潔な口腔内は健康な身体を守ることに繋がります!
お気付きな点・またご質問がありましたら、ご遠慮なくご連絡またはご来院頂ければと思います。
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